鳥羽~伊良湖間を結ぶ伊勢湾フェリーが、今年9月でなくなるそうでが、
私はこのフェリーにはたくさんの思い出があり、とても残念です。
このフェリーが就航した46年前、志摩で獲れた鮮魚を東京の築地市場へ送るには
朝獲れたものを送らないと翌日の市場の間に合わなかったのですが、新しいもの好き
の私の父は最終(午後5時頃だったと思います)の伊勢湾フェリーを使って午後獲れた
鮮魚を築地市場に間に合わせる便を試みました。
当然周りの反応は冷ややかで、「最終のフェリーに間にあわんかったらどうすんねん、
延着やないか」というもっともな意見でした。
ところが当時の伊勢湾フェリーはガラガラで、最終のフェリーでも電話で頼んでおけば
うちのトラックが来るまで待っていってくれていました。
(今では考えられないことですが)
このことで志摩、特に大王崎の鮮魚の良さが築地で一定の評価を得て、プチブランド化
したことによって高値で取引されるようになったのです。
このような父のDNAはやはり私にも流れているようで、”他社のやらないこと”、”新しい
市場に挑戦する”、”他人の土俵では絶対に相撲をとらない”ということを心がけて今まで
やってきました。
当然社員の皆さんは大変な苦労をしているわけなのですが、これがこの会社のDNAで
あり55年間存在してきた最大の理由なのだと思わずにはいれません。
皆と同じことを同じようにやり続けていては会社は存続いたしません。